こんな良い映画何で観てなかったの??
昔「自分の原風景」を書くレポートの宿題があったのですが、『いったい「原風景」って何?』とはじめる前からつまづいた記憶が・・。
この映画には主人公の原風景と言えるようなのどかな農場や空の風景が差し込まれていきます。たとえ彼の人生が荒れ果てた根無し草のようであろうとも・・。
製作年度:1991年
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:リヴァー・フェニックス 、キアヌ・リーヴス 、ジェームズ・ルッソ (allcinema ONLINE)
解説: 鬼才ガス・ヴァン・サントの長編映画第2作。ストリート・キッズのマイクは、ポーランドの街角に立ち、体を売っては日々暮らしていた。彼には、緊張すると眠ってしまうという奇病がある。そんなマイクの親友は、ポーランド市長の息子でありながら、家を飛び出し、やはり男娼をして生きているスコット。ある日マイクは、スコットと共に、兄リチャードが暮らす故郷アイダホへと向かう……。
マイク(リヴァー・フェニックス)の人生がこれ以上悪くならないように・・、死ぬ場面だけは見たくない・・と思いつつ観ました。
彼は1人でストリートで体を売って暮らし、時々突然意識を失う奇病を持ちながら誰かに拾われて生き延びています。彼が自分の母と兄に会うための旅に出たのはいつかやらなければならなかったことなのでしょう。兄との会話で自分の辛い出生の秘密を語る場面では胸が詰まってしまった・・。自分のルーツがここまでグロテスクで悲しいものでも人はキチンと生きていけるのだろうか??
仲間のスコット(キアヌ・リーブス)は同じく街角で体を売る生活をしながらも実は市長の息子。「21才の誕生日に生まれ変わる」と堅気の生活に戻る前に一緒にマイクの母を捜す旅に出る。いつも側にいてくれるスコットにマイクは想いを抱いているのだけど・・。
マイクは安心して愛情を受けた記憶が意識を失った時にしか味わえない。愛された記憶の薄さから友情も一時の情事も「愛」として受け取っているんだと思います。たとえお金のためでも誰でもいいから抱きしめられたい、と言う思い・・。さびしいんだろうなあ〜。
最後のシーンではまた誰かに拾われて行くマイク。幸せになれるかもしれない予感?なのかなあ。それとも・・。
リバーはこの映画でベネチア映画祭主演男優賞を受賞。93年10月に23歳の若さで、ドラッグ中毒により死去しました。
良い俳優さんになれたのにね・・。