「マリー・アントワネット」とソフィア・コッポラ監督つながりですね。
製作年度:1999年
監督:ソフィア・コッポラ
出演:キルステン・ダンスト 、ハンナ・ホール 、ジェームズ・ウッズ 、キャスリーン・ターナー 、ジョナサン・タッカー 、ジョシュ・ハートネット
美しくてかわいく、それでいてどこか謎めいたところのあるリズボン家の5人姉妹。ヘビトンボが、美しい郊外の街を覆いつくす6月、そんな5人姉妹の末妹セシリアが聖母マリアの写真を胸に抱きながら、剃刀で腕を切った。一命はとりとめたものの、彼女は数日後、自宅で開かれたパーティーの最中、窓から身を投げて命を落とす。繊細でかつ危うさを秘めた思春期の少女達の揺れ動く心情を、巨匠F・F・コッポラの娘にしてこれが監督デビュー作のソフィア・コッポラが瑞々しいタッチで描いたドラマ。(Yahoo 映画より)
若くして死んだ美しい5姉妹に憧れていた少年が時を経て語った物語。
映画では姉妹の死の原因はハッキリと描かれていません。自殺の原因はソフィア・コッポラ監督なりの解釈を加えることも出来たでしょう。でもそれには興味がわかなかったのですね。
原因だけを突き詰めて考えてみるとまず5女が死に、残った4姉妹は精神的ショックが大きかったはずです。その後4女ラックス(キルステン・ダンスト)がトリップ(ジョシュ・ハートネット)に弄ばされて野外に置き去りにされるという事件はそれだけで自殺でもしかねないような大きな出来事です。
それからラックスは家を訪れる男と屋根の上で関係を持つようになり、心の空虚さを体で埋めていたという解釈が出来ます。そのとき母親はそれに対して助けの手を差し伸べるというより厳しく(外に出さない、レコードを捨てる)接しています。父親は心配しながらもいつも自分の趣味にばかり気をとられているし、子ども達をを理解出来ない存在として見ている。妻にも頭が上らない。
もともとおとなしく友達より姉妹の結びつきが強かった彼女たちは5女の死から4女の不幸な出来事へとつながり親による監禁生活の中で精神的に弱くなっていたと考えられます。長い監禁生活の中で具体的に自殺を考えるような精神状態だった4女の先導またはマインド・コントロールで集団ヒステリーのような切羽詰った状況になり死に至ったか?と思うのですが・・。
そもそもソフィア・コッポラ監督は自殺の原因に重点を置いているのではなく、感受性が強い年令と彼女たちの性格が合わさって起こった悲劇と、少年から見た「わからない」「遠くから見つめる憧憬」の対象としての彼女たちが描かれていたと思います。
もし姉妹が死ななかったらその後の付き合いで分かり合える存在になってかもしれない。しかし死んでしまったため少年の中では少女たちは美しいまま「謎」となって青春の思い出になった。
『ヴァージン・スーサイズ』というタイトルは直訳だと「処女の自殺」とか「無垢な自殺」という事です。
姉妹の持ち物や室内の装飾がガーリィで可愛いです。監督の趣味なのかも。
余談ですがプロム・パーティのシーンではプロム・クイーンのキルステン・ダンストの頭の上に豚の血が降りかかってくるような気がしてしょうがなかった(映画「キャリー」のせい)。5姉妹の長女が美しいとはどうしても思えなかった。あとジョシュのおかっぱヘアーが気になった。(これはかっこいいのか??)