「オタク 201!」(サイドバーの本)の181位です。
製作年度:1995年
監督:マチュー・カソヴィッツ
出演:ヴァンサン・カッセル 、ユベール・クンデ 、サイード・タグマウイ
(allcinema ONLINE)
パリ郊外の移民ゲットーで暴動が発生し、アブデュルという青年が重体に陥った。次の日、サイードはヴィンスとユベールと共に、アブデュルの見舞いに病院へ訪れる。だが警察に追い払われてしまった。ヴィンスは、暴動のさいに警官が紛失した銃を持っていたのだが……。三人の移民青年の一日を、リアルに描いた作品。95年カンヌ国際映画祭監督賞受賞。
非常に重い映画でした。フランスと言えば2005年暴動が起こりました。それを予見するかのような映画。
メインに出てくるのはフランスのパリ郊外に住む、アラブ系、ユダヤ系、アフリカ系の3人の青年です。その青年たちは親が移民労働者として入植し,郊外の低家賃住宅に住んでいます。移民であるがゆえに職にも就けず(悪い)友達と集まってはただ毎日時間をつぶす。ちょっとしたことで暴力ざたや口げんかになり警察からは何もしなくても「悪い奴ら」と見られる。彼らの行く先には希望はない・・。
日本ではきらびやかなイメージが付きまとうフランスですが実際はブランドバックなど持っている人はいないし、人種がごったになった社会のようです。移民国家として一部は上手くいっているが一部では暴動が起きるほど「怒り」はたまり、爆発寸前の状態だった。
オープニングの言葉。
「50階から飛び降りた男の話
落ちながら彼は繰り返し確かめた
"ここまでは大丈夫" "ここまでは大丈夫""ここまでは大丈夫"
大切なのは落下ではなく着地だ」
まだ自分は最低な奴じゃあない、まだ下の奴がいるからまだ大丈夫、と思いながらだらだらと生活していくうちに最低にまで落ちている事に気付くという事か?
そういえばマチュー・カソヴィッツの他の作品「カフェオレ」も(確か)アフリカ系の友人の話でした。「フランスってさすが移民国家だな〜」などととのん気に鑑賞していたのが恥ずかしくなりました。
日本では子どもの出産率が減り問題となっています。しかしフランスでは努力によって出産率が増加し、モデルとなっているとか・・。出産率の上昇には婚姻せず生まれた子どもを保護する政策が有効だったらしいのですが、「移民国家」という事が関係しているのかもしれません。想像ですが。